2016年06月14日

「憂鬱な朝4」

ドラマCD「憂鬱な朝4」

憂鬱な朝4.jpg

原作
 Charaコミックス「憂鬱な朝4」
 原作:日高ショーコ


CAST
 久世暁人:羽多野 渉
 桂木智之:平川大輔 
 前野智昭 :石崎総一郎 他


あらすじ
暁人様を救うためなら、恋心だって利用する──

桂木(かつらぎ)に「好きです」と告白され、 混乱したまま森山(もりやま)侯の夜会に 出席した暁人(あきひと)。そこで暁人が 対面したのは、亡き父の義弟・直継(なおつぐ)── 桂木が次期当主にと画策する叔父だった!!  けれど、直継と話すうち、 「この方は当主に相応しくない」と 桂木の思惑を疑い始めていく。一方、桂木は 暁人の廃嫡を撤回させようと森山侯に迫り…!?


2016年6月23日(木)発売のドラマCD「憂鬱な朝4」のアフレコレポートこぼれ話です。
ここでしか読めないキャストインタビューをお楽しみください♪

久世暁人役:羽多野 渉さん
桂木智之役:平川大輔さん(以下、敬称略)

−−−収録お疲れ様でした!
羽多野:ホッと胸をなでおろす瞬間です。この作品は、台本をもらってから収録当日までの緊張感が凄いんですね。暁人は僕らが日常会話では使わない言葉を感情に乗せてしゃべっているので、収録していて感情が乗ってくると、どうしても気持ちが先行して、難しい言葉を咀嚼しないまま勢いでしゃべってしまいそうになるので。反対に理性で感情を抑えてしゃべるのが桂木なのかな。
平川:どの作品にも誠心誠意向き合っているつもりですが、この作品は僕の中で大河ドラマみたいなイメージで、ちょっと特別な感じがあって、作品の敷居をまたぐのに勇気がいるんですね。「またこの世界にお邪魔させていただくんですけど、果たしてこの世界にちゃんと僕は馴染むことができるんでしょうか。すいません、すいません、すいません」みたいな気持ちになりながら、原作と台本に挑んでいるんです。なので収録直後の今は、なんとかゴールテープを切れたらしいし、後ろは振り返りたくないっていう感じです(笑)。
−−−この作品に感じる敷居の高さというのはどこにあるんですか?
平川:暁人が10歳くらいの頃からの桂木を演らせていただいてるのですが、本の中で描かれていない時間も自分の中で完全に埋めておかないと、なんで今ここでこう言っているのか、なんでこんな表情をするのか、軽々しく触れてはいけないような気がするんです。でも、ちゃんと作品と向き合って、ここはきっとこうに違いないと穴埋めをして現場に臨むことにも勇気がいるので、敷居の高い作品なんですね。挙句の果てに、今は桂木自身が自分のことを良く分からなくなっちゃっているので、「お前、何考えてるんだよ、俺もわかんないよ」って(笑)。分からなくなっている桂木を僕もわからない、「わからない」の二乗が「わからない」の無限大になってしまって、何をやっても合っていないような感じがして、迷宮入りしてしまうんですね。原作で目の下に線が2本入ってたりすると、この線の意味をどう捉えれば良いんだろう? とか考えてしまって……ばかですね(笑)。
羽多野:いえいえ。時間をかけて原作を台本に落とし込んでくる平川さんってすごいなといつも思ってます。
平川:とんでもない、臆病なだけでいっぱいいっぱいです。
羽多野:僕もいっぱいいっぱいですよ。僕は前もって原作を読み込まないタイプなんです。最初に原作を読んでしまうと、その絵に声を当ててしまいそうになるので。例えば、本当はすごく遠いところにいる相手との会話なのに、キャラクターがアップになっていると、距離感を間違えそうになるとか。だからいつも現場で原作を読ませていただくんですが、すごく丁寧に音声化していただいてるなといつも思います。こうやって長く演らせてもらっている作品は特に、現場に来て原作の絵で状況を確認するのが楽しみなんです。石崎とケンカして殴られて残っている傷の具合とか、どういう表情してるのかとか。今回、階段の上から桂木を探して名前を呼ぶシーンがあるんですけど、その階段がどういうものかによって、どこに向かってどのくらいの音で声をかけるか違ってくるじゃないですか。お屋敷とはいっても、僕がイメージする屋敷とは絶対に違うと思っていたので、原作を見て、「おぉ、すごい、なるほど」って。そういう発見が毎回あります。原作を読んでいる方たちも、キャラクターがどういう表情なのか、どういう想いなのかというのは、それぞれに違う印象かもしれないですね。ドラマCDは音声だけで表現されるコンテンツなので、原作に負けないように、原作のファンの方が「それ!」って思ってくれるものをいつも目指しています。
−−−現在までの展開で、お二人にとって予想外だったことはありますか?
平川:桂木が「好きです」と言葉にすることは最後の最後までないだろうと思っていたので、ドラマCDの3巻で「あ、ここで言った!」というのが一番の驚きでした。もっともっと自分の感情を制御しちゃう人なんだと思っていたんです。きっと思った以上に暁人の成長が早かったんでしょうね。暁人がどんどん逞しくしたたかになっていくところは、桂木だけじゃなく僕にとっても意外でした。それで「好きです」と言わされちゃった感じがあります。
−−−言わされたという表現は、すごく腑に落ちます。暁人によって本音を引き出されちゃったという感じがします。
平川:そうなんです。今回も「もう背も見えない」というセリフがありましたけど、桂木にとっても、僕にとっても、暁人の成長の早さは本当に誤算だったなと。
羽多野 :毎回、ストーリーの展開が読めないので、面白いですね。桂木はずっと傍にいると思っていたので、まさか離れる方向にストーリーが進むとは思わなかったです。これから留学の予定もあるようですし、どうなるんだろう。
総右衛門とかも、最初は「あ、こういうおじさんいるいる」と面白キャラだと思ってたのに、すごく手ごわい人として目の前に現れてきて、「うわぁ、喰えない奴だ!」とか。

平川:そうそう!
羽多野:思えば、商才で華族たちと対等に渡り歩いて、一代で自分の城を築いた人ですから……。おそらくこの時代の貴族社会は、華族だけじゃなく、野望を持ってのし上がっていく人たちもたくさんいて、1秒でも油断したらやられてしまう世界だったのかなと思うと、前のフリートークでも話しましたが、およそ僕は生きてはいけない世界です。田舎で普通に育ってきた人間には想像を絶する世界だなと。
平川:僕も一緒です(笑)。
羽多野:暁人は桂木の存在のおかげで、その世界でも強くなったところがあるんじゃないですかね。彼しか見えないから、彼に並び立ちたいという気持ちでどんどん成長していったんじゃないかな。
平川:本音しか言わない人だったのに、途中から建前を覚えましたからね。
−−−今回の前半、森山家の夜会では、世渡りという部分での暁人の成長も伝わってきました。
羽多野:暁人にとっては桂木の思惑よりも「桂木を傍に置きたい」という感情が先にいくから、桂木の思いもよらない思い切った一手が打ててしまう。仮病で療養して隠居とか、思い切り良すぎですよ。「どうすんの、その先?」って思うんですけどね。でも、暁人がちゃんと先のことも考えて動いてると理解したことで、後半の桂木は人が変わったようになってました。
−−−お互いに自分を犠牲にして相手のために行動しようとするからすれ違うんですよね。何か良いアドバイスはありますか?
平川:話をしろ!
羽多野:(笑)
平川:あまりに黙して行動しすぎだから、もっと腹わって話しなさい、と。
羽多野:本当にそうですね。暁人も肝心なところを直接言わないから伝わらなかったりしますし。
平川:石崎君に言われてるけどね。
羽多野:友達の方がちゃんと見えてますよね。客観的に、俯瞰で見て、じれったいな〜って。
−−−表面の態度や言動と違って、二人きりでのラブラブなシーンはお互いに素直なんですけどね……。
羽多野:今回のラストの大一番のシーンは、平川さんが全部受け止めてくれるので、正直気持ちよかったですね。音声だけのコンテンツでは、お互いの身体の位置が変わったり、お互いがどういう動きをして、どこにキスをして、というのを表現するのは、なかなか難しいんですね。独りよがりになってしまってもいけないし。この作品ではいつも、相手役が平川さんで良かったと思いながら収録しています。
 僕はこういうシーンの表現方法やアドリブを平川さんに教えていただいたと思っているんです。初めてこういうシーンを演じたとき、台本のきっかけを見失って、20分以上も僕が受け続けてしまったんですが、平川さんは全部付き合ってくれたんです。本当にお世話になりっぱなしで。今日は過去のことを思い出したり、やっぱりすごいなぁと思いながら収録していました。

−−−桂木と暁人のように、まさに平川さんが教育係なんですね。
羽多野:(笑)。最近は若い役者さんと組むことが多かったんですが、今日は平川さんだし「これはどうだ」「こっちはどうだ」とぶつけて、それを全部サッと受けられて、「師匠! すげぇっす!」ってなりました。
−−−教育係の平川さんとしてはいかがですか?
平川:今、大変光栄なお言葉を賜りましたけど、「もう僕は羽多野君の背中も見えない」です。羽多野君が「全部受け止めてくれる」とおっしゃってくれましたけど、羽多野君はすごく勉強家で、台本に対してとても丁寧にお芝居をされる方なので、台本に書かれている動きを追いかけつつ、羽多野君のセリフや動きのアドリブを聴いていれば、「今、こういうことをされたんだ」「今はこのページのこの部分の動きだな」とつぶさにわかるんですね。だから、羽多野君が非常に床上手でいらっしゃると(笑)。
羽多野:それ、文字になるとまずいやつじゃないですか!(笑)
平川:(笑)。なので、僕としては羽多野君のアドリブに身を委ねて、すべてをさらけ出しているだけです(笑)。

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――――ありがとうございました。


上記には未掲載のインタビュー本編とアフレコレポートは、6/22(水)発売の「Chara 8月号」に掲載! 是非そちらもご覧ください♪
posted by Chara編集部 at 15:11| アフレコレポート